中高年の柔道の練習と障害

 ここでは、道場における練習の状態を紹介するとともに、練習に伴って生じる肉体的障害について述べてみたいと思います。

 その前に、この手の話は、個人の資質が非常に影響すると思われますので、私自身の特徴について述べておきます。
(私の体格・体力等)
【年齢】2004年3月現在48歳。
【体格】身長171cm、体重75〜78kg
【運動歴】高校時代に水泳部にいたこと以外は特に専門的なスポーツ歴無し。
      趣味的にテクテク山歩き歴が約30年。現在は極力疲れない歩き方を追求。
【運動神経】鈍い。俊敏性に劣る。
      その為、昔からただひたすら走るだけの長距離走等の根性ものが、得意だった。
【体力】力は並みの上。特に強くもないが、弱くもない。肥満のため、持久力は弱っている。
【病気】長年肥満による脂肪肝。4年位前から変形性膝関節症。柔道を始めてから四十肩もどき。
まとめると、どちらかといえば、運動不足で肥満傾向の普通の中年でしょうか。

(道場と練習時間等)
 道場は、中間柔道クラブ。子供のための柔道クラブです。私が、入門当時(2003年3月10日)64歳の正司園勲先生を中心に小中学生20人弱のアットホームな感じの道場でした。
 練習時間は月・水・金の18:00〜19:30までの1時間30分が練習時間で、その後、21時までの居残り練習は自由参加。但し、私は仕事の関係上、どんなに速く退社しても18:30到着が限度なので、通常は週1〜2回、1回に30分〜1時間程度の練習量です。

(初期の練習内容と体の反応)
 まずは受身の練習と基礎体力を付ける運動をしました。倒れたり、投げられたりした時に頭を打ったり、怪我をしないための練習ですが、通常使わない筋肉、特に腹筋と首の筋肉に負荷が掛かります。このため、約1ヶ月位は練習をしてないときでも頭がふらふらした変な状態だった記憶があります。日記を見るとこの頃は、筋肉痛で毎日たまらない状態みたいでした。
 1ヵ月後の4月30日に中学2年の女子、男子と初めての乱取りをしています。とにかく息が切れて、相手を振り回すことは出来ても倒すことは全く出来ませんでした。大の大人が中2の女の子に歯が立たないのですから、本当にがっかり。男子の方には、スルスルと足が伸びてきたと思ったら、足を引っ掛けられて、真後ろに倒される始末。良い経験になりました。
 その後、ぼちぼち打ち込み等をしながら、練習をしますが、子供達や私自身が怪我をしてはいけないので、子供たちとの乱取りは許可が下りず、時々、正司園先生と練習をさせてもらいました。64歳とのことでしたが、押しても引いてもびくともせず、こちらは直ぐに息が上がり練習になりません。1〜2分で私のほうが、『もうだめです』で練習終わり。この頃は毎日、体が痛くてしようが無い状態。大外刈りの打ち込みを受けると体に黄色いあざが出来ました。
 現在でもそうですが、とにかく無駄な力を常に入れているために、直ぐに息が上がるとともに体への負担も大きかったようです。5月頃から肩も痛くなり、7月に整形外科で診てもらったところ、四十肩もどきとのこと。肩が痛むため、無理できない状態でボチボチ練習。この頃から柳原先生に打ち込みの練習相手になってもらうことが多くなりましたが、時間はせいぜい5分位でしょうか。とにかく息が上がって、駄目です。
 このようにあまり真面目に練習していなかったにもかかわらず、会社の健康診断で20年位肝機能に関する血液検査で異常が認められていたのが、全く異常なし。尿酸値が若干高かったので再検査を受けましたが、やっぱり肝機能異常なし。恐るべし柔道の効果。
 まだ充分、受身もできない状態で、それ程、上達もせず、練習していたのですが、11月に正司園先生より、一級認定試験が12月にあるので受けたらどうかと言われ、その気になってしまったのでした。
 これが過酷な黒帯への挑戦のきっかけになろうとは!
 
 それでは、中高年が柔道を習う上での注意事項をまとめると。

 @受身の練習で最初の1〜2ヶ月は体の筋肉が痛むが、ひたすらがまんすること。
 A初期に吐気、フラフラ感があっても、無理せず、軽く受身の練習を続けること。
 B四十肩、五十肩でも軽く練習した方が、肩の調子は良い傾向にある。
   (無理は良くないが、肩のかばい過ぎも良くない。)
 C若いときは練習量が即、体力・持久力に反映したが、中高年は逆に過負荷になる
   可能性がある。→昔の自分は忘れること。
 D息を上げるのも程々に。年相応の上限脈拍数を知っておいたほうが良いかも。
 E乱取りをしなくても、柔軟体操、打ち込み、補助運動だけでも体育効果は充分ある。
                        
 まとめ:無理せず、楽しく、短時間でも継続して練習しよう。
      (この年代、仕事の責任も重く、忙しく中々難しいですが)   

                                                      (2004年4月3日記)

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